2026.10.19

就労継続支援B型の工賃はどう決まる?計算の仕組みと確認ポイント

就労継続支援B型の作業と工賃の仕組み

「同じB型なのに、なぜ事業所によって工賃が違うの?」という疑問に先にお答えします。B型の工賃は全国一律の時給ではなく、基本となる原資は生産活動による収入から、その活動に必要な経費を引いた金額です。その原資を、各事業所が定める工賃規程に沿って利用者へ支払います。

そのため、月額だけを比べるのではなく、仕事の売上や経費、日額・時間額・出来高などの計算方法、通所日数・作業時間をセットで確認することが大切です。

この記事で分かること

以下は2026年10月19日時点の厚生労働省・大阪市の公開情報をもとにしています。個別の支払方法は事業所ごとの工賃規程で異なります。

B型の工賃と「賃金」は仕組みが異なる

厚生労働省は、就労継続支援B型を「非雇用型」と説明しています。一般就労や、原則として雇用契約を結ぶ就労継続支援A型の賃金とは、支払いの仕組みが異なります。

比較項目B型の工賃雇用契約に基づく賃金
雇用契約結ばない結ぶ
主な原資生産活動の収入から必要経費を引いた額雇用主が労働の対価として支払う
金額の決め方事業所の工賃規程に基づく雇用契約・就業規則などに基づく

B型でも働いた成果に対して工賃が支払われますが、「求人票の時給×労働時間」と同じ考え方とは限りません。A型とB型の制度上の違いは就労継続支援B型とA型の違いもご覧ください。

工賃の原資は「生産活動収入-必要経費」

厚生労働省の指定基準第201条では、B型事業者は、生産活動の収入から生産活動に必要な経費を控除した額に相当する金額を工賃として支払うと定めています。大阪市も、生産活動の会計を福祉サービスの給付費や職員給与などと区分するよう案内しています。

工賃の原資 = 商品販売・受託作業などの生産活動収入 - 材料費・外注費など生産活動に必要な経費

受注量や単価、作業の種類、必要経費が違えば、事業所ごとの工賃原資も変わります。障がい福祉サービスの給付費がそのまま工賃になるわけではありません。

個人の工賃は事業所のルールで配分される

原資が決まった後の配分方法は、各事業所の工賃規程で定められます。よくある考え方には、日額、時間額、出来高、作業評価、賞与・特別手当などがありますが、全国共通の計算式ではありません。

計算例1 日額方式

仮に日額900円で月16日通所した場合は、900円×16日=14,400円です。欠席日をどう扱うか、半日利用の額がどうなるかも確認が必要です。

計算例2 時間額方式

仮に1時間250円で月60時間作業した場合は、250円×60時間=15,000円です。休憩時間を含むか、作業ごとに単価が違うかで結果が変わります。

計算例3 基本額に出来高や手当を加える方式

通所実績による基本額に、作業量・品質などの評価や特別手当を加える事業所もあります。評価基準が明示されているか、毎月変動する部分がどれくらいかを聞いておくと、実際の受取額を想像しやすくなります。

※上の金額は仕組みを説明する仮の例で、フォレスト・アウルを含む特定事業所の計算方法ではありません。

「平均月額」だけで比較しない

厚生労働省が公表する2023年度の全国平均工賃月額は22,649円です。ただし、これは個人に保証される金額ではありません。月に何日・何時間通った人の平均なのか、短時間利用者を含むか、賞与を含むかなどで見え方が変わります。

例えば、月額30,000円でも月20日・1日5時間の作業なら、月10日・1日3時間で20,000円とは通所負担が違います。自分が無理なく通える日数と時間で、どれくらいになるかを個別に試算してもらいましょう。

見学時に確認する7つの質問

工賃額だけでなく、作業が自分に合うか、体調が悪い日の相談がしやすいかも重要です。比較の視点は工賃が高いB型作業所の選び方でも詳しく解説しています。

よくある質問

全国平均の工賃は、毎月必ず受け取れる金額ですか?

いいえ。全国平均は事業所の実績を集計した指標です。個人の金額は、事業所の計算方法、通所日数・時間、担当作業などで変わります。

休んだ日は工賃が減りますか?

日額や時間額で計算する事業所では減ることがあります。ただし配分方法は事業所ごとに異なるため、工賃規程と欠席時の扱いを確認してください。

工賃が高い事業所なら自分にも合いますか?

金額だけでは判断できません。高い工賃に必要な通所日数や作業時間が自分の体調に合うか、仕事内容に無理がないか、必要な支援を受けられるかも合わせて比較しましょう。

まとめ

B型の工賃は、①生産活動の売上、②必要経費、③事業所の配分方法、④本人の通所・作業状況を組み合わせて決まります。まず「自分の希望する日数・時間なら月額はいくらか」を見学時に質問し、計算根拠まで確認するのが実用的です。

フォレスト・アウル北加賀屋作業所では、ホームページで平均工賃5万円以上の実績をご案内しています。具体的な作業や工賃についてはお仕事・工賃のページをご覧いただき、ご自身の通所希望に沿った見込み額は見学時にお尋ねください。

参考にした公的情報

制度・統計情報は2026年10月19日時点で確認しています。

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