就労移行支援・A型・B型のどれを選ぶ?目標と働き方で判断する5ステップ
就労移行支援・就労継続支援A型・B型は、優劣で選ぶものではありません。今の目標が一般企業への就職なのか、雇用契約のある働き方なのか、まず生活リズムを整えて継続することなのかを整理すると、検討する方向が見えやすくなります。
この記事では、制度の違いを並べるだけでなく、現在の体調・通所の安定性・希望する収入や働き方から候補を絞る手順を解説します。最終的な利用可否や支給決定は自治体等が個別に判断するため、自己判断だけで決めず、相談窓口や相談支援専門員と確認してください。
この記事で分かること
- 就労移行支援・A型・B型の目的と働き方の違い
- 自分の目標から候補を考える5つの手順
- 迷いやすい状況別の判断例
- 見学・相談時に確認したい項目
以下は2026年11月2日時点の厚生労働省・大阪市の公開情報を確認して作成しています。
まず押さえたい3サービスの違い
| サービス | 主な目的 | 雇用契約・収入 | 利用期間 |
|---|---|---|---|
| 就労移行支援 | 一般企業等への就職に向けた訓練・求職活動 | 事業所との雇用契約は原則なし | 原則2年。市町村が必要と認める場合は延長あり |
| 就労継続支援A型 | 支援を受けながら雇用契約に基づいて働く | 雇用契約あり。最低賃金が適用 | 制度上の一律の期間制限なし |
| 就労継続支援B型 | 体調等に合わせて生産活動・就労機会を得る | 雇用契約なし。作業に応じた工賃 | 制度上の一律の期間制限なし |
同じ名称のサービスでも、通所日数、仕事内容、支援内容、就職実績、賃金・工賃の計算方法は事業所ごとに異なります。表だけで決めず、候補となる事業所の条件を確認することが必要です。
選び方の5ステップ
1.半年後・2年後にどうなりたいかを書く
「一般企業へ応募したい」「雇用契約のある環境で働きたい」「週3日の通所を安定させたい」など、期限と目標を一文にします。一般就労へ向けて訓練や求職支援を重点的に受けたい場合は就労移行、雇用契約に基づく就労を続けたい場合はA型、まず体調に合わせて作業を継続したい場合はB型が検討候補になります。
2.今できる通所日数と時間を把握する
希望ではなく、直近1~2か月で実際に続けられた生活リズムを確認します。週5日を想定すると欠席が続く場合は、短い時間や少ない日数から相談できる事業所も含めて検討します。A型では雇用契約上の勤務条件を守る必要があるため、応募前に勤務日数、時間、欠勤時の扱いを確認しましょう。
3.「収入」と「訓練・配慮」の優先順位を決める
A型は最低賃金が適用されますが、求人への応募や選考があり、仕事として求められる役割があります。B型は雇用契約ではなく工賃となり、金額だけでなく通所日数や作業量で受取額が変わります。就労移行は就職準備が中心です。毎月必要な金額、利用料や交通費等の実費、通所を続けるために必要な配慮を一緒に整理してください。
4.必要な支援を具体的な行動で整理する
「配慮が必要」だけではなく、「指示は一つずつ書面でほしい」「人の多い場所では休憩が必要」「通院日は時間を調整したい」のように書きます。就職活動の同行、履歴書作成、作業手順の確認、体調面談など、必要な支援が候補事業所で受けられるかを見学で質問します。
5.相談・見学・体験で仮説を確かめる
厚生労働省は、本人が希望・能力・適性に合った就労先や働き方を選べるよう支援する「就労選択支援」を案内しています。大阪市では2025年10月以降、一定のB型新規利用者について、就労選択支援を利用した結果、B型が適当と判断されることが要件に関係します。自分が対象になるかは、お住まいの区の保健福祉センター等へ確認してください。
状況別の判断例
- 一般企業への就職を具体的に目指し、応募準備や職場実習の支援が必要:就労移行支援を軸に検討。
- 決められた勤務日・時間を継続でき、雇用契約のある仕事を希望:A型の求人条件と支援内容を確認。
- 体調の波があり、まず短時間から作業と通所を安定させたい:B型を含めて相談。ただし利用要件は個別に確認。
- どの働き方が合うか自分だけでは判断しにくい:就労選択支援、相談支援事業所、自治体窓口に相談。
これは一般的な考え方であり、診断名や年齢だけで自動的にサービスが決まるわけではありません。現在の状態、本人の希望、利用歴などを踏まえて支給決定が行われます。
相談・見学で確認するチェックリスト
- 自分の目標に対して、どの支援をいつ行うのか
- 週何日・1日何時間から開始できるか
- 仕事内容と、苦手な作業を相談する方法
- 就職活動、職場実習、一般就労への移行支援の内容
- 賃金・工賃の計算方法と、自分の条件での見込み
- 利用料、交通費、昼食等の実費
- 体調不良、遅刻、欠席時の連絡と振り返り方法
事業所を比べるときは、B型作業所の見学チェックリストも参考にしてください。利用料と実費はB型の利用料はいくら?で解説しています。
よくある質問
最初から一つのサービスに決める必要がありますか?
最初から決めつける必要はありません。希望と現在の状態を相談窓口へ伝え、見学や体験、必要に応じて就労選択支援を利用して検討します。
A型なら必ず一般就労に近いのですか?
A型は雇用契約に基づく働き方ですが、一般就労への近さは契約の有無だけでは判断できません。仕事内容、勤務条件、支援内容、本人の目標を確認しましょう。
B型を利用しながら一般就労を目指せますか?
一般就労を将来の目標にすることは可能です。現在の通所状況や本人の希望に応じて、支援者と段階的な目標を設定します。
まとめ
選ぶ基準は、①将来の目標、②続けられる日数・時間、③収入と訓練の優先順位、④必要な配慮、⑤見学・体験で分かった実情です。「A型の方が上」「B型なら就職できない」といった決め方ではなく、今の自分に必要な支援から考えましょう。
フォレスト・アウル北加賀屋作業所の仕事内容や工賃はお仕事・工賃のページ、利用条件は利用案内で確認できます。
参考にした公的情報
- 厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」
- 厚生労働省「就労選択支援について」
- 厚生労働省「障害者総合支援法における就労系障害福祉サービスの役割・機能について」
- 大阪市「障がい福祉サービスの種類と内容(令和7年10月1日以降)」
制度・公開情報は2026年11月2日時点で確認しています。